2011年3月16日水曜日

今こそ、家族の絆・地域の絆を

横浜YMCA総主事メッセージ

『一つの部分が苦しめば、すべての部分が共に苦しみ
  一つの部分が尊ばれれば、すべての部分が共に喜ぶのです』
(コリント信徒への手紙1 12章26節 横浜YMCA 2011年度基本聖句)

東北地方太平洋沖地震で被災されている多くの方々、特に家族を失い悲しみにある方々、消息が分からず不安な中にある方々の上に、神様の励ましと慰めがあることを横浜YMCA関係者一同、心よりお祈り申し上げます。

横浜YMCAでも地震発生時、多くの会員の皆様が各YMCAの施設や保育園におりました。施設によっては激しい揺れも起こり、恐怖と混乱の中、避難や安全な場所での長時間に渡る待機を強いられ300名以上の園児や会員の方がYMCA施設内で夜を明かす事になりましたが、互いに協力しあい、励まし合い全ての会員の皆様の命を守り無事を確認することが出来ました。

また、被災地を思えばその比ではありませんが、それぞれのご家庭においても震災や未だ油断が許されない状況に加え「計画停電」というこれまで経験した事のない状況の中、不安を抱える子どもたちも多いことでしょう。私たち大人は、今後の不測の事態への備えをしながらも、子どもたちには、不安を与えないよう、通常の生活に戻していきたいと思っています。

子どもたちは衝撃的な地震の体験とテレビやラジオから入ってくる情報、頻繁に起こる余震の中、大変な不安を抱えながら大人たちを見ています。ある小学生メンバーは、親御さんが何も言わなくとも自然にテレビゲームをしなくなったそうです。元リーダーの教員の話では、学校でも子どもたちの給食を残すことが多かったり、大きな学年の子でもお母さんのスキッンシップを求めたりしているとのことでした。
子どもたちも経験したことのない不安の中、一生懸命この困難に立ち向かっています。どうか『心配しなくていいよ』『大丈夫だよ』と子どもたちを抱きしめてあげてください。そしてこの状況の中、今こそ“家族の絆を強める機会に” “地域の絆を強める機会”にしていきましょう。

ある職員からは 明るくて見えなかったものが、電気を消したら見えてきた。「電気」を「元気」に変えようとの提案がありました。『電気を消して、元気を贈ろう!』をキャッチフレーズに、YMCA節電キャンペーンを展開してまいりたいと思っています。

横浜YMCAでは「東北地方・太平洋沖地震緊急支援募金」の活動を開始しました。不安と悲しみのなかで避難生活を余儀なくされている被災地の人々への支援にご協力ください。3月19日に予定されている、根岸英一先生のノーベル賞受賞記念YMCA特別講演会は、根岸先生からも「こいうときだからこそ前向きに歩む、希望を持てる」よう是非、話をしたいとおっしゃっていただきました。この集いを募金活動キックオフ のような形で積極的に進めていく所存です。皆様のご理解、ご支援を賜り、共に希望を持ってこの困難を乗り越えていきましょう。

横浜YMCA総主事 田口 努